「グレート・チェンジに関する簡単な歴史とその影響の考察」 A Brief History and Examination of the effects of the Great Change  by Nikki J. 出所
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2012年末、世界は偉大な男のおかげで変化をこうむった。偉大? 悪魔だろう? そうだ。勘違い? 多分、そう。だが、オマール・ベル博士は善良な男ではないが、偉大な男であるのは確かだ。もっと言えば、その偉大さで、彼は歴史の流れを完全に変えたのである。男性であれ、女性であれ、ボイであれ、悪漢であれ英雄であれ、彼をおいて、他のいかなる人間もこれほどまでに世界を変えたと言える者はいないだろう。

現時点では誰もが知ってるように、(元ノーベル賞受賞者の)ベル博士は、大気中に白人男性を女性化するよう設計された生物エージェントを放出した。その生物エージェントは確かに仕事を成し遂げた。世界中の白人男性がひとり残らず、次に示すような変化を受けたのである。以下はベル博士自身による表現である。

1.身体の大きさ:白人男性は身体が縮小した。白人女性の身長・体重とほぼ同じ程度になった。

2.体形:白人男性は体形の変化を受け、腰が広がり、ウエストが細くなった。さらに臀部も丸く膨らんだ。加えて、筋肉が多量に収縮し、他の人種で対応する男性に比べても、はるかに弱い存在になった。

3.性器:白人男性の性器は縮小し、ペニスの平均サイズは、非勃起時10センチ、勃起時15センチという、元々、小さな存在から、非勃起時3センチ、勃起時5センチに縮小した。白人ボイは勃起できないというのは、よくある誤解である。彼らは勃起できる。単に、彼らはその小ささゆえに挿入することができないということである。

4.アヌス:白人ボイにとって、セックスとは、普通、アナルに挿入されることを意味するということは、誰もが知っている。だが、どうしてそうなのだろうか? その答えは、白人ボイのアヌスが今や女性のバギナと同程度の敏感な性感帯になっているということである(女性器よりも感度が高い場合もある)。加えて、このことは私(ベル博士)が意図したことではなかったのであるが、白人ボイは性的に高まると、アヌス内に自然に潤滑液を分泌し、その結果、挿入行為が容易になるという点も挙げられる。同時に、彼らのアヌスはかなりの柔軟性を獲得した。通例、アナルセックスは最初は極めて苦痛を与えるものであるとされているので、この性質は、主に、初体験の者たちに好意的な効果をもたらした。現在、ボイたちの初体験での苦痛は、女性が初めてバギナに挿入された時に感じる苦痛とほぼ同程度になっている。

5.乳首:そう、乳首の件もあった。基本的に、ボイたちの乳首は大きくなり、女性の乳首と同じ性感帯になった。

6.体毛:白人ボイは身体にも顔にも体毛が生えなくなる。

7.表情:白人ボイの顔は丸みを帯びるようになり、かなりの度合いで女性的に見えるようになった。

8.フェロモン:白人ボイは、女性が分泌するものと非常に似たフェロモンを分泌する。と同時に、真の男性が分泌するフェロモンに反応する。チェンジが発生した直後、男性のペニスに狂ったようになっているボイが多数存在した。このような事態が発生してたのは、彼らボイの肉体が新しい化学的バランスに、いまだ対応できていなかったことによる。だが、時間が経つにつれて、このようなボイたちも性的パートナーの選択に関して、より慎重に変わっていった。

9.性欲:上記に関連した話題として性欲の件がある。白人ボイが他の人より性欲が旺盛だというのは、よくある誤解である。それは偽である。最初は真であったかもしれないが、それは、グレート・チェンジの直後にホルモン・レベルが上昇したことによる。その後、時間の経過に伴って、彼らのリビドーは低下していき、典型的な女性のリビドーと並ぶ程度になった。

以上が、基本的な変化のおおよそである。しかしながら、影響を被ったのは白人男性だけではなかった。他の人種も影響を受けたのである。アジア人男性のほぼ半分、ラテン系の3分の1、ネイティブ・アメリカンの推定10%、および、インド人の1%弱が影響を受けた。

アジア人ボイは、白人ボイと同じような反応を示し、最終的には自分たちの運命を受け入れた。もっとも、中国では2回ほど市民たちの不穏な暴動が起きたけれども。それに比べると、ラテン系ボイたちは、変化への対処はうまくいかなかった。ラテン系の文化は、かなり大きな度合いで、マッチョイズム、すなわち男性性に基づいているのである。変化を受け、その結果ボイになったラテン系の男たちのうち、たった15%しか生き残らなかった。家族に殺されたボイたちもいくらか存在したが、大半のボイたちは自殺をしたのだった。さらに、メキシコ市での暴動で死んだ者たちもいた。生き残ったラテン系ボイは隠遁生活に入り、今は女性として生活している。

ネイティブ・アメリカンに関しては、成り行きを受け入れ、自分たちの生活を続けている者が多数と言ってよい。大いに不満を述べた者はほとんどいなかった。インド人の行動も似ている。

ベル博士が、短期的に隠れ家から姿を表した時に抗議行動をするほどのことを行った白人ボイは極めて少数だった。もっとも、ベル博士は自らの行動に対する法的措置が取られる恐れから、その後は姿を隠してしまったが。以下で掲載するインタビューは電話を介して行われた。

白人男性の女性化の結果は広範囲なものであり、それが最終的にどのようなことにつながるのかを予測できる者はほとんどいない。変化が終結した直後、政府はボイと女性を同等と扱おうとしたが、その2か月後、そのような措置は違憲であるとされた。その結果、世界は、事実上、3つのジェンダー(男性、女性、そしてボイ)を持つに至っている。すべての公共施設は、この3つのジェンダーに合わせて別個の施設を提供することが義務となっている。ただし、男性は、ボイと女性は似たような位置にいると見るのが普通である(ただし、もちろん、その男性が子供を持ちたいと思っている場合は別であるが)。

男性とボイが性行為を行うことは、今や、完全にヘテロセクシュアルな行為と考えられている。ホモセクシュアルなボイ(つまり、他のボイあるいは女性と性行為を行うボイ)は、まれと見なされるほど希少であるわけではないが、普通のケースとまでは言えないことも事実である。しかしながら、ふたりのボイが一緒になっているところを見るのを好む男性は多い。(ボイと女性は婚姻関係になることは許されていないが)女性と生涯に渡る関係を形成してきているボイは多い。そういうカップルは、人工授精の手段により受胎することにより、白人という人種の継続を維持し続けてきている。

依然として、ボイには子に授乳することや伝統的な方法で子を持つことはできないものの、技術開発により、ボイは、希望するなら子を産むことが可能になってきている。ただし、それは複雑なプロセスであるので、そのルートを選ぶボイはごく少数である。しかしながら、子が生まれたボイたちは、進んでかつての女性たちの役割を担い、その子供たちの養育に非常に優れた能力を発揮することが分かってきた。その結果、かつてより多くの女性たちが、職場に登場することになり、かつてより、(少なくとも男女平等の観点では)非常に平等な関係が達成されてきている。

ボイが生じたことにより人口構成が新しくなった。その新しい人口構成に起因する要求に応えるため、多くの新しいファッションが次々と登場した。興味深いトレンドのひとつは、公共の場所にて乳首を露出することはわいせつ罪になるとした法律ができたことを受けて、ボイたちが、女性用のビキニで得られたような伝統的な被服ではなく、乳首だけを隠すような水着を要求したことによるボイ用の水着の流行である。

ボイの乳首が衣服を通して透けて見られるのを防ぐという同じような目的で、上記の水着と似たスタイルのランジェリーが登場した。ズボンを好んで履くボイはごく少数である。彼らは、その代わり、ドレスやスカート、あるいはショートパンツを好む。ズボンを選ぶ場合も、非常に女性的なズボンが選ばれるのが普通の傾向である。とは言え、大半は、女性向けのファッションがボイ用に調整されて(普通は胸の部分だけの調整で)売られているというのが実情である。

白人男性がボイに変わった時、ポルノ産業は大打撃を受けた。合衆国では彼らがポルノの主要なユーザーであったからである。しかしながら、ストリップ・クラブの業界は強さを維持し続けており、多くのボイたちがそこで職を得ている。

現時点では、職場でのボイたちは、20世紀後半に女性たちが直面した問題と似た問題に直面している。ボイたちは、ボイという存在から連想されるステレオタイプを打ち破るために必死であがいている(例えば、ボイというものは普通の男女に何かしら劣る存在なのだとか、上記で否定したものの、ボイというものはセックス狂なのだといった考えである)。しかし、ボイたちは急速に職場へと復帰しつつあるのも事実だ。なんだかんだ言っても、ボイは他のジェンダーの人間と同じ、人間であるわけだし、他の人と同じ目標、同じヤル気を持つボイたちは多数いるのである。しかしながら、依然として差別が多数存在しており、ボイがまともな扱いを受けるようになるための運動は継続的に続いている。

政治的な面で言えば、グレート・チェンジ後の最初の2年ほどで、政府は大きく変わった。合衆国の議会でも、他の似た外国の政府でも、白人男性の議員の多くは議席を失った。その議席に置き換わったのは女性と黒人男性だった(もっとも、大半は女性である)。政治学者の大半は、このような変化は、国民が白人ボイたちの信頼性について先入観を持つようになったことに起因すると述べている。しかしながら、一定の適応期間が過ぎた後、ボイ政治家の多くが戦略を変え、近い将来、再び議席を奪還する計画を立てている。

女性たちはどうなったかと言うと、多くは以前と変わらぬままでいた。ただし、例外的な変化として、豊胸手術が急増したことが挙げられる。乳房が小さい女性たちが、ボイと混同されるのを望まなかったということらしい。現在、Cカップ以下の女性を目にすることは極めてまれになっている。ボイの中にも同じく豊胸手術を受けた方が良いと思った者たちもいたが、大半のボイは本来の姿のままでよいと誇りを持っており、豊胸手術を受けることを拒んでいる(ただし、パートナーとなった男性から熱心に要望された場合は別になるが)。

さて、そろそろ、ボイの歴史のことを繰り返し述べるのはこのくらいにして、本誌の読者からベル博士に送られた質問に入ることにしよう。

質問:ベル博士? ボイたちは、ほぼ全員、アナルセックスの形でセックスをします。私の質問は、彼らはどうやって、あそこを清潔に保っているのかということです。(マサチューセッツ州のアンより)

ベル博士:まあ、ひとつには、彼らを変えた合成物の効果が関わっている。ボイたちは、固形物を排泄しないのだ。その代わり、成分が小便に似た液体を排泄するのである。その結果、彼らの肛門を清潔に保つことは、バギナを清潔に保つこととほぼ同程度に容易になっている。現在、私が知っている大半のボイたちは、アヌスを清潔に保つためにアナル用のビデを以前として用いているが、以前と比べて、それがはるかに容易になっていることは間違いない。

質問:博士はボイと女性、どちらが好きですか? (ワシントン州のボブより)

ベル:両者に大きな違いはあるのかな?

質問:どうして博士はこれをしたのですか? (フロリダ州のピーティより)

ベル:どうしてグレート・チェンジを起こしたか? そのわけは、私は白人男性は黒人男性より劣っていると思ったからだよ。私たち黒人が理不尽に被った歴史的な抑圧が理由だ。影響を受けたほとんどすべての他の人種では抗議行動が起きたのに、白人ボイたちはほとんど抗議行動をしなかった。その事実だけでも、白人ボイにとっては今の地位がふさわしいのだという私の考えが間違っていなかったことを証明している。

質問:私は黒人男性です。博士は、私にも、白人ボイに対して行ったことをできますか?(ミシガン州のオリバーより)

ベル:それは可能だが、費用がかかる。私のウェブサイトにアクセスするとよい。法的問題のために削除されたが、私たちのコンサルタントの連絡先は出ている。そのコンサルタントとアポイントメントを取るとよいだろう。

質問:もし、こんな人がいたら、博士は何と言いますか? もちろん仮定の話しですが、エロティックなフィクション専用のウェブサイトに載ったくだらないストーリーを、人種間の平等(あるいは不平等)を追求する真剣な試みに似たものと勘違いした人がいたら、その人には何と言いますか? (リトアニアの匿名希望)

ベル:うーむ、妙な質問だなあ。だが、訊かれたから答えるが、私なら、その人に、こう答えるだろう。現実との関わりをちゃんと考えなおして、ありのままに物事をとらえ、何か議論のための材料に変えたりするなと。例えば、もし誰かがストーリーを書いたとして……まあ、よく分からんが、例えば、異人種間でのセックスとか支配関係を中心テーマにした物語を書いたとして、その人物は「異人種間のセックスや支配関係に興奮するのだ」ということ以外に何か言おうとしているとみなすのは、極めて愚かしいことではないのかね?

質問:あなたの見解で気分を害された人には、どのようなことを言いますか? (カリフォルニア州の匿名希望)

ベル:私の言うことを真に受けるなと言うだろう。私は、誰かが眠れなくなって午前3時に夢想したバカバカしくつまらないストーリーに出てくるキャラクタにすぎないのだと、そう言うだろう。さらに、私の見解は、作者の見解を反映したものでは、まったくないということも言いたい。加えて、(強制であれ非強制であれ)女性化が中心テーマとなっているサイトでごく普通となっている嗜好について不平を語る人間は、自分の価値観を考え直す必要があると、どうして自分たちの嗜好の方が他の者の嗜好より正しいと思うのか、その答えを出すつもりで考え直した方が良いと、そう言いたいと思う。

質問:白人男性は、本当に、他の人種より劣っているのですか?(南極のトビーより)

ベル:もちろん、そんなことはない。これはただのストーリーにすぎないのだ。上記の返答を見てくれ。これらの質問は主流でないとは思うが、できる限り、答えようとしてきた。

ここまで応答を続けた後、ベル博士は電話を切った。

このインタビューが行われたすぐ後に、ベル博士は殺害されたらしい。彼の死に関して、詳しい情報はまだ得られていないが、政府のエージェントが関係しているという噂がある。さらに、もうひとつ、噂であるが、政府は、変化をこうむったボイたちのための治療法の完成に近づいているという話もある。しかしながら、この展開に関する詳細は不明である。

言うまでもなく、ベル博士は我々に考える機会を提供した。だが、そもそも、ベル博士とは何者なのだろうか? 大量殺人者? 黒人男性にとってのヒーロー? 世界の変革者? 真剣に考える必要のないフィクション上のキャラクタ? あるいは、白人たちの高慢な鼻をへし折った賞賛すべき男? その評価は歴史が決めるだろう。


おわり
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